ーコウモリ駆除に関する法律とは?違法にならない対策方法ー
1. コウモリ駆除と法律:基本的なルール
1.1 コウモリは鳥獣保護法で守られている
コウモリは、日本の「鳥獣保護管理法(鳥獣保護法)」によって保護されている動物です。
そのため、許可なく捕獲・駆除・殺傷することは禁止されています。
1.2 駆除と捕獲の違い
– 駆除(追い出しや侵入口の封鎖) → 許可不要
– 捕獲・殺傷(捕まえて処分する) → 許可が必要
つまり、家に住み着いたコウモリを追い出すことはできますが、無許可で捕獲・処分することは違法となります。
1.3 違反した場合の罰則
鳥獣保護法に違反し、無許可でコウモリを捕獲・殺傷した場合、以下のような罰則が科せられる可能性があります。
– 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
– 法人が違反した場合、最高1億円の罰金
1.4 許可を得れば捕獲できるのか?
例外的に、自治体から「鳥獣捕獲許可」を取得すれば、コウモリを捕獲することは可能です。しかし、許可が下りるケースは限られており、基本的には業者に依頼するのがベストです。
2. 違法にならないコウモリ駆除の方法
2.1 コウモリを傷つけずに追い出す
法律に違反しない駆除方法として、コウモリを傷つけずに追い出すことが重要です。
– 超音波や忌避スプレーを使う(コウモリが嫌がる環境を作る)
– 日中に騒音や光を当てる(コウモリは暗く静かな場所を好む)
– 追い出し専用のネットやワンウェイ出口を使う(一度出たら戻れない仕組み)
2.2 侵入口を封鎖する
コウモリを追い出した後は、再び侵入しないように建物の隙間を塞ぐことが重要です。
– 換気口や屋根の隙間をパテや金網で塞ぐ
– コウモリが通れる小さな穴(1.5cm程度)も見逃さない
– 建物の外壁や天井裏を定期的に点検する
2.3 自分で駆除できる範囲と注意点
DIYでコウモリを追い出すことは可能ですが、注意点もあります。
– 繁殖期(5月~8月)は避ける(子育て中のコウモリがいる可能性あり)
– 糞尿の掃除は慎重に(感染症のリスクがあるため、手袋やマスクを着用)
– 屋根裏作業は転落事故に注意
2.4 専門業者に依頼するメリット
– 法律を遵守した適切な駆除ができる
– 侵入口の封鎖までしっかり対策してくれる
– 再発防止のアドバイスがもらえる
費用は業者によって異なりますが、相場は5万円~30万円程度です。自治体によっては駆除費用の補助金が出る場合もあるため、確認してみるとよいでしょう。
3. 繁殖期・冬眠期の駆除の注意点
3.1 繁殖期(5月~8月)の駆除はNG
この時期に駆除を行うと、親コウモリを追い出した後に子どもが取り残される可能性があり、結果的に建物内で死んでしまうケースがあります。
3.2 冬眠期(11月~3月)は難易度が上がる
冬場はコウモリが屋根裏や壁の中で冬眠しているため、追い出しが困難になります。そのため、冬眠する前の秋頃(9月~10月)に駆除するのが理想です。
3.3 最適な駆除のタイミングは?
最も適した駆除のタイミングは、**春先(4月頃)または秋(9月~10月)**です。この時期であれば、コウモリが活動的で追い出しやすく、子どもも独立しているため駆除しやすくなります。
4. コウモリ駆除を巡る法律トラブルと事例
4.1 違法駆除業者に注意
一部の業者は、法律に違反した方法で駆除を行っているケースがあります。例えば、
– コウモリを無許可で捕獲・殺処分している
– 違法な薬剤を使用している(殺虫剤の使用は違法)
– 高額な請求をしてくる
悪質業者を避けるためには、業者選びの際に以下のポイントを確認しましょう。
– 口コミや評判をチェックする
– 契約前に見積もりを取る
– 「鳥獣保護法を遵守しているか?」を確認する
4.2 近隣住民とのトラブル
コウモリの被害が広範囲に及ぶと、駆除の際に近隣住民とのトラブルになることがあります。例えば、
– コウモリが追い出された後、隣の家に移動してしまう
– 忌避スプレーの臭いが周囲に影響する
事前に近隣住民に相談し、協力しながら対策を進めることが重要です。
5. まとめ
コウモリ駆除は、法律を守りながら適切に行う必要があります。無許可で捕獲・殺傷すると鳥獣保護法に違反し、罰則を受ける可能性があるため、必ず合法的な方法で対策しましょう。
最も安全な方法は、追い出しと侵入口の封鎖をセットで行うことです。自分で駆除することも可能ですが、繁殖期や冬眠期の駆除は注意が必要です。
また、違法な駆除業者に注意し、信頼できる専門業者を選ぶことで、トラブルを避けながら確実な対策ができます。コウモリの被害を最小限に抑えるために、早めの対策と適切な駆除方法を選択しましょう。
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